パリの公共交通機関(電車、メトロ、トラム、バス)事情

France

旅行に行っても、住んだとしても、行く先が都会であればあるほど多くの方が使うことになる公共交通機関。初めて利用する場合は必ずと言って良いほど、頭を悩ませるのは切符の買い方ですよね。

日本でも自動券売機の前で外国人が立ち往生しているのをたまに見かけます。最近では英語が併記されていることも多いので、英語さえ分かればそんなに難しくないのでは?と感じていましたが、実はこれは仕組みが自分の国と違うから分からないのかもしれないなーとフランスに来てから思うようになりました。

ですので、この記事では、フランス・パリで公共交通機関の切符を買う際に知っておくと理解がしやすくなる基礎知識をご紹介します。旅行でパリに行かれる予定のある方、パリに住んで間もない方はぜひ最後までご覧ください。

・パリの公共交通機関事情

・切符の購入方法

パリの公共交通機関事情

イルドフランス(パリ近郊都市圏、日本でいう東京23区)を運行する公共交通機関はメトロ(地下鉄)、RER(高速郊外鉄道)、Transilien(RERとほとんど同じ、運行会社が異なる)、トラム(路面電車)、バスがあります。(厳密に言うとTGV(新幹線に近い、フランス外にも行ける電車)もあるのですが、ここではパリ内の移動を考えますのでTGVについては省略します)

目的地までの距離で値段が変わるのは同じですが、日本と大きく異なる点は、ゾーン制を採用しているところです。つまり、どの駅からどの駅ではなく、どのゾーンからどのゾーンに行くかによって料金が変わってきます。なので、各ゾーンについて大まかに知っておく必要があります。

路線図は下のよう中心部(ルーブルやオペラなど1番観光で行くことになる場所)をZone1として外に行くほどZone番号が大きくなる(5まで)ような仕組みになっています。細かいので少し見にくいですが、大まかな図と主要な場所の位置を何となく覚えておくと良いとです。

イルドフランスのゾーン分けイメージ図
  • Zone 1: パリ市内(20区内:ルーブル美術館、凱旋門、エッフェル塔、サクレクール寺院)
  • Zone 2: パリ市の周り(ブローニュの森など)
  • Zone 3: ラ・デファンス、ソー公園など
  • Zone 4: ヴェルサイユ宮殿、オルリー空港など
  • Zone 5: シャルル・ド・ゴール空港、ディズニーランド・パリなど

チケットの種類と料金体系

チケットの種類と料金

チケットに関しては、実はとても単純です。メトロ、RER、バスなど交通機関によってそれぞれチケットがあるわけではなく、”Ticket t+” というチケット1種類で全て乗ることができます。

このTicket t+1.9€で購入できます。カルネ(Carnet)と呼ばれる10枚セットの回数券を購入する場合は1枚あたり1.69€(10枚で16.9€)で購入できますので、たくさん使う機会がある、友達とシェアするなど9枚以上利用する可能性がある場合は回数券の購入をお勧めします。

ちなみに、有効期限はありませんので、またパリに来た際に使うというのも可能です。(大切に保管しておく必要がありますが、、)

パリのZone 1内のみを移動する際はどれに乗っても1.9€のチケットで問題ありません。

しかし、Zone 1より外に行く際は注意が必要です。トラム、メトロ、バスについてはどこに行くのも1.9€のチケットで問題ありませんが、RER, Transilienを利用する際は、Zoneをまたぐ場合料金が異なります。チケットを購入する際に行き先を入力しなければならないと覚えておきましょう。

ちなみに、Zone 1-3の料金は片道3.65€です。

日本とは異なるチケット事情

刻印と検札係による切符の確認

チケットを購入して、実際に乗車する際には、そのチケットに日時の刻印をしなければいけません。改札を通ると刻印がされますが、トラムやバスは改札がありません。なので乗車時に刻印機に切符を通して何時何分に乗ったかを記録する必要があります。(日本のバスの整理券のような感じ)

また日本とは違い、降りる時には何も見せたりする必要はありません。なのでタダ乗りをしようと思えばできちゃうわけです。

このような事情から、ちゃんと有効な切符を持っているかを確認する検札員がランダムで車内、降車場所に現れます。

検札された際に、チケットを持っていない/入場記録の刻印がない場合は、50€/35€の罰金となりますのでくれぐれもご注意ください。

こんな感じで切符上に日時が刻印されていることを確認しましょう

乗り越し精算

日本だと買ったチケットより遠くに行った場合でも、駅の改札で乗り越し精算を行えばすんなりと改札を出られますが、パリでは乗り越し精算は出来ません。乗り越した先で精算は出来ず、改札から出られなくなりますし、運が悪ければ罰金の対象となりますので、しっかりと乗る際に目的地までの切符を買うように気を付けてください。

乗り換えと有効時間

メトロ、RERは刻印の入った時間(改札を通った時間)から2時間有効です。この間は乗り換えをしても1枚のチケットで乗車できます。RERはZone 1内のみ乗り換え可能です。

トラム、バスは1時間30分チケットが有効です。(メトロと同じ2時間にしてくれればわかりやすいのですが。。)この間は何度トラムに乗っても大丈夫です。

切符の不具合

日本ではほとんど遭遇したことがありませんが、こちらでは切符の不具合がたまにあります。この切符に当たると、刻印機に通しても改札に通しても反応せず、正常に刻印されませんし、改札は開きません。

10枚セットを購入すると、この不良チケットが入っていることがあります。また、チケットが傷ついたり、電子機器のそばに保存しておいて磁気が弱まったりすることでも、使えなくなることがあるようです。

使えないチケットに当たった場合、駅員さんに言うと交換してもらえます。窓口がない、窓口の人が厳しいなど運が悪ければ交換できず、買い直しとなることもあるので、その可能性も頭の隅に入れておきましょう。

まとめ

フランス・パリの公共交通機関事情について説明しましたがいかがでしたでしょうか。比べてみると、日本は路線が多いのに一枚のカードで全て乗り越したり乗り継いだり出来て、とても便利だなと思います。逆にカードがなければとても複雑に感じるかもしれません。

パリのシステムは初見では複雑そうに思えますが、いざ知ってみると実は単純です。覚えておくべきことは以下の2点です。(難しいと感じる点は乗り換えできない、罰金制度など、融通のきかなさでしょうか。)

・ゾーン制で料金は決まる。ゾーンをまたぐ時は要注意

切符は乗車時に刻印がされていることを確認。改札、駅を出るまでその切符を持っておく。

今回説明した基礎知識を知っていれば、パリで電車に乗る際もそんなに驚くことはありませんので、公共交通機関を存分に使いこなして、パリの街を散策しつくしましょう!

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