【生き方を考える-1:働き方】休みが多いで有名なフランスの労働環境はどんなもの?

France

コロナによってリモートワークが広がったように、近年働き方は多様化しています。日本でも数年前より1年で最低5日の有給休暇を取得しなければいけなくなったり、長時間労働に制限がかかって来たりと大きく変わりつつあります。しかし未だに日本は過労死で有名と言われるように、海外と比べると仕事で体調を崩したり、家庭に悪影響があったりというマイナス面がが注目されることが多いように感じます。

この記事では、バカンスで有名なフランスの働き方について紹介します。日本以外ではどんな働き方をしているか気になる方はぜひ最後までご覧ください。

フランスの労働環境

労働時間

フランスの労働時間は週35時間と規定されています。これは日本で言うところの法定労働時間(日本は40時間)のようなもので、これ以上働くと、その超過分は割増賃金が発生します。

しかし実際問題、週35時間ではなかなか仕事が回りませんので、職種や業務内容にもよりますが、多くの会社では週35〜40時間労働で労働者と契約しています。ちなみに、私は週37.5時間で契約しています。

私のように標準労働時間を超えて契約している場合、代休を貰えます。これはRTTと呼ばれ、私は年間10日分を代休として貰っています。

勤務時間の記録(出退勤)については特になく、大体8時から10時くらいに来て夕方4時から6時くらいに帰るというようにアバウトです。(これは会社によると思います。)

一般的かどうかは分かりませんが、会社で聞いた話だと、週35時間(私は37.5時間)というのは契約で結んでいるので、1週間で契約時間働いていれば問題なく、今日は8時間働いたから明日は6時間。なんてこともできるようです。もちろん勝手に長く働くことは出来ますが、こちらではそんな人は少数派です。

休暇

まず、フランスは祝日が11日あります。フランスにはそれぞれの会社が属する労働協定があり、どの労働協定に入っているかによって少し異なりますが、私の会社の場合、祝日が土日に被った場合、補完のための有給休暇が与えられます。(日本で言う振替休日が有給休暇として貰える)

そして年間の有給休暇は30日貰えます。それに代休RTT 10日を加えると40日が有給休暇になります。その年中に取れなかった分は翌年に繰り越すことができますが、繰り越す人はそんなに多くなく、基本的にはその年ににもらった分はその年に使い切るという考えの人が多いように思います。

出社、通勤

現在、私の会社ではコロナ以降、リモートワーク(ホームオフィス)が出来るようになっています。しかし全員強制ではなく、希望者のみです。希望する場合は、同意書に署名し最大週2日まで在宅勤務をすることが出来ます。

在宅勤務日以外は普通に出社します。通勤手段は公共交通機関、自転車、自動車など人それぞれですが、通勤に対しては会社より一部補助(定期券の場合半額補助)が出ます。

フランス(特にパリ)では、ストライキによって電車が動かず通勤手段がない、ということが時折起こりますので、そういう場合のことも考えてか在宅勤務が出来る会社は多くなっているようです。

昼食

フランスでは昼食の時間をとても大事にしています。昼食の時間はリフレッシュの時間や、チームの同僚と仲を深める時間と考えられています。

だからか、お弁当を持ってきてデスクでご飯を食べる。ということはほとんどなく、会社の食堂に行くか、外に食べに行きます。しかしこちらは基本的に外食の値段が高いので、社員の負担を減らすため、食事の補助をしている会社がとても多いです。

食堂がある会社の場合はもちろんですが、外に食べに行く際にも、会社から支給されるレストランチケットを使用することで半分近くの費用で昼食を取ることができます。

オフィス施設

施設に関しては、日本とそこまで変わりませんが、仕事をするデスクは窓に近いので比較的開放感があります。

これはフランスの決まりで、個人のデスクは自然光が入る場所から遠く離れてはいけない。というのがあるからだそうです。ですのでオフィスの配置としては、窓側に個人のデスクがあって、真ん中、内側の方に会議室がある。というようになることが多いようです。

あとは、コーヒーを飲む場所がしっかりとあることが多いようです。(フランス人にとってコーヒーはとても大事)

どちらが働きやすいのか(個人的意見)

結論から言うと、個人的にはフランスの働き方の方が好きです。悪い点ももちろんありますが、ライフワークバランスがうまく取れる働き方だと感じます。理由としては

  • 休みの取りやすさ
  • 勤務の自由度
  • 働きすぎない環境

の3点です。

休みの取りやすさ

これは言わずもがなかと思いますが、本当に取りやすいです。

日本の企業で働いていた時も、ありがたいことに休みは取りやすいと思っておりましたが、それ以上に感じます。休みを申請する際に上司が気にすることは、他の人と被って誰もいないということにならないか、だけで休みの長さはほとんど気にされません。(一気に1ヶ月まるまる休みを取る人もいるくらいです)

貰った休みを全部使い切るのも、多くの人がそうしているので誰も何も言いません。

勤務の自由度

契約にもよると思いますが、接客業でないオフィスワーカーの場合、出勤時間、退勤時間に対して、日本のようにうるさく言われることはまずありません。家の用事などで早く帰る必要がある場合などにも、上司に一言用事があるから早く帰るといえば問題ありません。

そのかわり、よっぽどのことがない限り残業代は出ません。(契約にもよりますが、こちらでカードルと呼ばれる管理職の分類になると基本的に裁量労働です。)

働きすぎない環境

日本のように簡単に残業代が出ないことも一因としてありますが、こちらでは遅くまで残って働く人はほとんどいません。仮に残業代が出たとしても、彼らは帰りたいと言うと思います。

それくらい、仕事以外の自分の人生を楽しむことに重きを置いている人が多いように感じます。私は「The日本人」なので、遅くまで残ってる人はほとんどいないからもう帰ろうかな。となり、日本にいた時より早く帰る習慣が身についてきました。

結果的に家でゆっくりしたり、自分のために時間を使うことが多くなり満足しています。

バリバリ仕事を頑張りたいという人には不向きかも

一方で、仕事をバリバリしていっぱい稼ぎたい!という人には不向きかもしれません。

というのも、まずフランスはそんなに給料が高くありません。(意外かもしれませんが、年収ベースでいくと日本人と同じくらいか少し低いくらい?) それに加えて日本より高い物価、税金を払う必要があるので、現地の人の生活は私たちが思っているよりも質素です。

また、仕事をバリバリ遅くまでする人が少ないですので、働きすぎていると心配され、日本とは逆で職場に残りにくい。と感じます。(とはいえ、自分がやりたくてやっているんだ!と主張すれば何も言われることはないです)

さらに、日本人ほど細かくない、きっちりしていないので、納期には遅れるしなかなか仕事がスムーズに進まない(引き継ぎせずにバカンスに行ってしまって仕事が止まるなど)なんてこともよくあります。

短い時間で効率よく仕事をしている。と捉えることも出来ますが、日本人的感覚から言うと、業務の快適さと言う面では、不便を感じやすいかもしれません。

まとめ

フランスでの働き方(会社員)について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。私自身の労働環境(パリ)を基にご紹介していますので、フランスの会社で働いたらどんな感じなんだろう?というのが少し見えるのではないかと思います。

ワークライフバランスという意味では素晴らしい環境だとは思いますが、交通費が半分しか出ない、物価の割に給料が良くない。仕事では日本より不便を感じることが多いなどマイナス面ももちろん存在します。

どのような労働環境が好みかは本当に人それぞれですが、仕事はほどほどに日常生活を楽しみたい!という方にはおすすめです。

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